*TGF2022*
 
前書き

TGF2022お疲れさまでした。

参加させて頂くのは今年で3回目となりますが、今回も作品数が本当に多くて、フェスのページを開いた時に「こんな作品があったんだ」なんて気付くことが多いですね。そんな中で、私の作品を見つけてくださり、遊んでくださった方、またコメントをくださった方、ありがとうございました!

今回の「V.R.I.P.」は、ステレオグラムを使った立体視ADVです。これは物語を考えるのに疲れてのシステムメインの作品で、ノベルゲームでよく言われる「ワイド画面になって横が広すぎる問題」に対する1つの解答として制作したものです。半分になるからちょうどいいっていう。

人力VRだから相手の話を聞く内容にしよう、短編だからインパクトのある話にしよう、とか考えた結果、噛み合わせが悪くなってしまった感じがするので、一人称視点で見るバカゲーみたいなノリの作品もまた作れたらなと思います。

以下、ノベコレに書かなかった感想などを書いています。良しも悪しも書いてあるので、見られる方は念のために心の準備をお願いします。ノベコレだと皆が絶賛してる中で気になった点とか書きづらいので、こっちに書いています。

また、このページの色合いは、最上部の「LIGHT/DARK」で切り替えられます。見づらかったらポチッと押してください。

ちなみに、上部のタイトルで作品や感想にリンクしています。このページからは「V.R.I.P.」です。数分の立体視ADVなので、良かったらプレイしてね。

 
泣きべそ*花散る空
▶感想

作品ページにもクッソ長い感想を書いていますが、今年の白玉グランプリです。プレイ時間2時間でとても強い感動を抱きました。結構泣いてしまったのだ。

まず人間関係一本で物語を作るのってすごく難しいと思うんですよ。しかも2時間くらいというのが絶妙で、すごくちょうどいい。これが1時間くらいの作品だったら恐らく泣ける作品にはなっていなくて、逆に3時間くらいになるとダレてしまったと思います。

音声でやりとりするSNSという設定と、主人公の成長・変化を描くというテーマの噛み合わせが見事で、SNSだからこそ、普段は関わらないようないろんなタイプの人と緩く関われますし、SNSと対面とでは情報量に差があるから、そこに別の問題が起きてくる。また物語の展開スピードも本当にちょうどいいんですよね。SNSのやり取りを通じて自分を出したり引っ込めたりしているだけなのに、コトリちゃんのペースを知りながら楽しく読むことができました。

感想のほうでは軽くだけ触れていますが「伝えたい言葉が違う意味で届くことのやりにくさ」って、コミュニケーションにおいて本当に大事な箇所だと思うんです。

百果くんとの喧嘩はそこが如実に表れた部分だと思いますし、「綺麗って言ったら綺麗って意味で伝わってしまう」なんて真理ですよね。お互いの持っている言葉の意味が違うんですよ。『綺麗』という言葉1つを取っても、BeautifulなのかCleanなのか、あるいは見た目の綺麗さか心の綺麗さか、更に言えば「うわぁ!」とか「カワイイ!」みたいな感嘆符としての「きれい!」かもしれない。話が噛み合わない原因って、きっとここにあるんですよ。人によって物事の捉え方が違うから齟齬が起きてしまう。ここをさらっと浮き彫りにしているから、自分はこの作品がとても好きなのです。

ただ、気になった点も1つだけあって、

RYOくん、予想外の反応でパニックになったからと言って、まさぐるのはアカンよね。強引にキスを迫るくらいなら本気の証明として分からなくもないけど、体に向かったら目的が変わってしまうから。

ちなみに、この物語に自分が強く共感してしまうのには、別に大きな理由があって、

実際にネットで知り合った人とオフ会してサークルクラッシュした経験があるんですよ笑 その時は何とか繋ぎ止めようとして、お互いに傷を深めただけに終わりました。もし本作みたいにきっぱりと線を引いていたら、その時も綺麗に終われたのかな、なんてifを想像させて頂きました。

他の方の感想に「花火のような作品だった」とあって、「なるほど、これ以上にこの作品を的確に表す言葉はないな」と思いました。タイトルにもありますしね。

 
回顧、来ぬ
▶感想

こちらも作品ページにクッソ長い感想を書きました。白玉準グランプリ、ということで。長編もプレイしておこうと思い立ち、評判がよくてプレイ時間も想定3〜4時間と手頃な作品を選びましたが、実際7時間くらい掛かった気がします。まず文字の表示速度が遅いせいで気が散るんですよね。短編ならともかく、長編なので結構しんどかったです。

しかしながら、物語は抜群に面白かったです。シナリオの構築力が非常に高い。全体的にキャラクタに妙な気持ち悪さがあって馴染みにくいのですが、読み進めるうちにバックボーンが明かされて愛着が湧いてきます。また各キャラクタが物語の土着信仰と密接に関わっていて、キャラクタを描くと世界の理解が深まるという構成で、これは物語の最適解だと思います。

イラストは結構癖があって、タイトル画はかなり好きなんですが、本編の紗羅紗ちゃんがあんまり可愛くなかったりして。ただ、もしこれが普通に綺麗な量産型の絵だったら、多分プレイしてないんですよね。プレイヤーとは贅沢なものです。

また、感想にも書きましたが、

謎の正解は割と早い段階で気付くんですよ。ただ、それで合っているのかどうかが分からない。例えば、序盤で明らかにカイコの魔物に襲われて、オシラヒメが悪い奴では?となる。けど確証がない。普通に見える人と化け物に見える人とでは、普通に見える人が危険である(「沙耶の唄」を思い出すよね)。そう考えた時に賢治郎さんだけ普通に見えるのに異常がないのが怪しすぎる。でも確証がない。

ここ、結構危ない橋だと思うのですが、そこに疑いが向きすぎることがなくて、でも最終的にそこに落としてくれるから、納得感がすごく高いんですよ。とにかく謎の量が多いことで、読んでいてどこまで本当かが分からない、という状態を狙っているなら見事なものだと思うのです。

あと、感想に書き忘れたこととして、終盤に視点や時間が行ったり来たりして、混乱することが何度かありました。これ、今なの? 過去なの? って。

 
星霊調香師
▶感想

抜群に面白いです。安定の面白さ。女性向けの恋愛ものやファンタジー作品にアレルギーがなければ、プレイして損はないです。感想にも書いていますが、豊富な世界観と設定の数々、また登場人物の魅力が、2〜3時間の中にぎゅっと詰まっています。

上で「回顧、来ぬ」の感想にも書きましたが、キャラクタが作品世界それぞれの要素を担当していて、キャラを描くと世界の理解が深まる作りは物語の最適解ですよね。更に1つ1つのイベントが物語に対して複数の意味を持っているので、描写に本当に無駄がないんです。とにかく物語として密度が高い。

キャラクタの好感度も高くて、主人公のセシリアちゃんは可愛いし、誠実なジュリオン様は恰好いいし、飄々としたロサさんも、素直じゃないシエルくんも、本当に魅力的です。そして悪役(Not敵役)はしっかりとクソです。

ただ、感想が非常に書きにくくて。読み終えて「はぁ、すごい! 面白かった!」ってなったのに、いざ感想を書こうとした時にすごく困った。多分、パッキングされすぎてるんですよね。遊び・ゆとりがないというか。

「星霊は被害者で、悪役は非道で」と画一的だったり、「星心を奪われると絶対服従」と都合が良すぎたり。星霊という存在の描写は絶対的に必要なのに、それが被害者の場面に偏っているのが恐らくは一因で。だから、人と星霊が共存している世界や、星霊の集落での風景なんかは、もっと見たかったかなと思います。本作は『人の世界に星霊が存在する』物語ですが、星霊というオリジナル要素に惹かれていたので、もっと星霊が中心の話を読みたかったのかもしれません。難癖っぽいから書きにくいですけど。

そういう面では調香師および香水についても同じことを感じていて、端的に言えば、主人公が調香師でなくても「心を通わせて治癒できる」で成り立ってしまう。ここに例えば「トップノートとラストノートの違いで罠に嵌める(一時的に回復するけど後で動けなくなる)」みたいな展開があれば、より香水の設定が活きたと思う……んだけど、たぶん作者はそういうのを求めてなさそう。なので、これは物語に対して設定の幅が少し広かったのだと思います。

いろいろ書きましたが、これって結局のところ「設定や世界観が魅力的だからもっと知りたい」という話で。上にも書きましたが、これだけの設定や世界観がこの時間で収まっていることのほうが不思議なのです。ぎゅうぎゅうにパッキングしているから、あふれたものがあるという話。

こういう感想を嫌味なくさらっと書ける言語力が欲しいね。

 
血染めの花【フリー版】
▶感想

長編も読んでおこうと思っていたところ、見覚えのあるタイトルを発見して、当時から気になっていたので読むことに。作者自身が数年越しにリメイクされているだけあって、さすがに面白かったです。

7~8時間という結構な長編ですが、どんどん人が死ぬ展開にインパクトがあって、その裏にある登場人物たちの思惑が見え隠れするので、全く飽きません。「屍人荘の殺人」って小説があったと思いますが(ゾンビ×ミステリ)、こちらも(パニックホラー×サスペンス)という感じで、複数の要素があるから平面的にならないんですよね。他にも特に驚く要素や仕掛けがあって、完成度の高さに驚きました。

ただ、やっぱりSSは失敗じゃないかな、と思います。パッと見てイロモノ感が強すぎる。もっと明るい場面とか、シリアスな場面とか、載せておいても良いのではないかと。

それと、こちらも感想を書くのに手間取ってしまって。

何と言うか、人の心をややロジカルに描きすぎているような気がします。サスペンス的には全く問題ないのですが、人間ドラマの要素が表出してくると、もっと複雑な心理を見たくなってしまうので。

あと、これは感想に書くか迷って省いたのですが、

「誰もが被害者であり加害者だ」というキャッチコピーに対して「毒にも薬にもなる花」が同じように二面性を表現して見えて、印象的だなと思いました。

 
私の声が聞こえますか
▶感想

これも感想が長いですね。感じたことを書いたら長くなったので、整形しようとして長らく放置してしまっておりました(結局できてない)。

大抵の場合、物語の最初って読者の気を引く必要があるから、何かしら印象的な要素を突っ込むものですが、この作品はそこが弱いんですよね。前作「恋に落ちてはいけない20分」では強かったので、今作は「割と期待外れかな」と、初めは思っておりました。

でも、実はこれが肝で、

冒頭を劇的にするとフィクション感が強くなってしまう。逆にありふれた感じであれば現実の延長線上に感じられる。この登場人物の問題は現実にある問題なんだ、と提起するのであれば、これが正解だと思います。

また、返信の中で一部、作者様から「無意識だった」と頂きましたが(汗 まれによくある)、

「自分は人とは違う」というコンプレックスを持っていると、周囲に合わせることに尽力してしまって身動きが取れないことが多々ありますよね。人と違うという事実は、それだけで奇異の目を向けられる対象になってしまうから。だから、自分の知覚したものが普通かどうかを常に問わないといけないし、もし判断を誤ってしまったら「違った。聞こえません、私は普通です」ってわざわざ言い訳しなきゃいけない。拒絶されたくないから、周囲にとっての『普通』であるために、自分にとっての『普通』を否定しなきゃいけない。

この時点で『自分は普通ではない』という認識があるから、自分に大切な人ができた時に「相手が幸せになるには普通じゃない人間でないほうがいいよね」ってなっちゃう。高峰先輩がそうなのかは分からないけれど「幸せな思い出をありがとう」と見えました(書いてあったかどうか定かでない)。

例えば『背が高すぎる』というのは本人も他人も分かるんですよ。見て比較できるから。でも『耳が良すぎる』って他人とは比較できないわけです。他人の聞こえ方が分からないから。一番大きな要因はここにあって、互いに漠然と「自分は理解されない」「あいつは気味が悪い」と思うしかできないんです。それを解消する手立てが「こういう症状があるんだ」という認知ですよね(鬱が怠けだと言われていた感覚に近いのかしら)。広まれ。

ただ「人は皆等しく平等」みたいな意識を持っている人は、こうした問題に頓着できないんだろうとは思うんです。自分を基準に物事を考えて個体差に気付けないから。

いずれにせよ、相手のための『普通』になる努力なんて本当に無駄だから、そんなことが要求されない世の中になってほしいと願います。『普通』になろうとしなくていいし、『普通』にさせようとしなくていい。『人と違う』ということは、本来は武器になることなのですから。

 
ひつじさんへっどふぉん ふしぎな島のなかまたち
▶感想

見かけた時から楽しみにしておりました。楽しみにしていたので、フェス開幕すぐのプレイでした。

まず紙芝居の読み聞かせのような内容でびっくり! でもそういうゲームだったから、気負わずにプレイできて良かったです。寓話的で温かい気持ちになれるお話なので、万人にオススメです。

返信の「物語構成にシビアな白玉様」で笑ってしまった。そんな風に思われていたのか笑 でも、例えば絵本に対して「伏線が〜」とか言ってたら変な人なので、その辺りは弁えているつもりです。だから感想からは省きましたが、ひつじさんが「ひつじとねこは違うよ」と言っている時に、もう既に彼と羊よりもねこさんのほうが近いよな、っていうのはすごく面白く感じた箇所です。自分が似ていると思っているもの、別物だと思っているものも、思い込みなのかもしれないな、って。

 
孤島の灯台
▶感想

めんだこ。タイトル通り、孤島の灯台を舞台にした、夏を感じる別れのお話です。灯台守って何をするんだろう、とか、配属された地にどんな人がいるんだろう、とか、舞台が結構な興味を引いてくれます。

そして抜けるような青から始まるイラストの綺麗さが印象的でした。立ち絵もポーズ自体がころころと変わるので、読んでいてワクワクします。

結末は最初から分かっているけれど、話の振りとか展開バランスが上手なので、最後まで飽きずに楽しみながら読めました。

灯台の守り神ライトくんが、とても健気で胸を打つのです。

 
モノクローム・モノローグ
▶感想

読んでやられた感を味わえる、上手く構築されたお話です。ふらっと参加した賞金アリの鬼ごっこ。参加者も訳アリのようで、その会場で危ないことが起きる……って、まあこの後どうなるのかとハラハラしますよね。それ自体が楽しく読める上に、ラストで仕掛けに驚かされるのです。いやぁ、お見事。

こういう仕掛けって、シナリオ自体が面白くないと、めちゃくちゃ白けますからね。縦軸(物語)と横軸(仕掛け)の綺麗な掛け算です。

 
無限の月空
▶感想

プレイし始めてのワクワク感がすごい。現実と非現実の狭間である設定に、3Dのキャラクタという2.5次元感が上手く嵌まっていて、更に近未来感のあるデバイスが好奇心をそそります。この辺りは前作「METORY」と同様ですね。

個人的にUnityとかVRoidを使ってて思うんですが、1枚のスチルとして作る時のビジュアルの見せ方が、すごく上手いと思います。トップの画像とか見事なポスターですよね。

この作品もプレイしてから感想を書くまでに、かなりの時間が掛かってしまいました。読んでいて、消化不良に陥ってしまいまして。

ストーリーのダイジェスト感ですよ。これ、串団子になっちゃってるんだと思うんです。バラバラのエピソードが連なってる感じ。後書きを見るに、複数人で出し合ったエピソードを繋げた感じかな、と想像します。その場合、こういうことが起きやすいんですよね。

主人公の記憶喪失に、ソラさんの人影退治、麻耶さんの映画、凛ちゃんの過去に、主人公たちの映画制作。それぞれの要素が繋がってないんですよね。自分の思う所としては、やはり主人公の異常には大きな理由が欲しいですし(彼こそが人影になりかけているとか)、麻耶さんの映画の失敗も「監督の人影化」としたほうが、導入がスムーズだったように思います。そして麻耶さんの映画制作から自分たちの失敗を思い出して……と展開すると、物語が一本の軸になって、黒幕との因縁もできたのかな、とか。

思い返せば、前作「METORY」は絶妙なバランスですね。物語に明確な目標がなくて、登場人物の過去を明かして変化・成長させることが目的になっている。我の強い2人の感情をぶつけることで、引っ込み思案な主人公の心を引き出す、という構成も見事でしたし。

 
車座怪談
▶感想

見返したら感想が長いな。10個の短い怪談が聞けるホラーゲーム、と軽い気持ちでプレイしたら、しっかりと怖くてビビり散らかします。「怪談は嘘でもいい」というフックが絶妙で、語りにくい恐怖の体験談を『嘘』という態で語ってくれるわけです。そのお蔭で逆に実話感が出るっていう寸法。素晴らしいですね。

あと、これはわざわざ書くことじゃないから感想には残しませんでしたが、

前作「穴の中」のキャラが出るんですが、やっぱりイラストが影絵だと印象に残らないですね。かまいたちフォローなのが分かってるから突っ込まないけど、例えばシルエットの色がキャラごとに違っていたら、「あ、あの時の緑!」ってなったと思う。

 
みえない二等星

昨年の「雨にして人を外れ」の作者の新作ですね。

いきなり書いてしまうけど、自分が想像するのと違う方向に話が進んで戸惑いました。軽音部の話じゃないの!? 学園祭のライブに向けて、上達できずに悩んだり、メンバー間で衝突したりする話だと思っていたのです。

実際には、望遠鏡で見えない星を探す高村さんとの交流を経て、主人公の北斗くんが幼馴染みの美波ちゃんと関係を深めるお話でした。基本的には大きな事件などはなく、穏やかに進んでいく物語です。老いた高村さんの経験が、若い北斗くんに少しずつ影響を与えて成長していく様が見所ですね。

何と言うか、北斗くんの好感度が低いんですよね。割と受動的で軽はずみな感じで。特に高村さんのプライベートをほじくる場面には、ちょっと引きました。

タイトルからしても、北斗くんはあくまで視点キャラであって、主人公は高村さんなのかな、とは思いますが、やっぱり目標を持たないキャラを視点に据えると、物語を作る難易度が格段に高くなるのでしょうね。

 
天使のロマンホリデー
▶感想

プレイして「面白いなぁ!」ってなる。新人フリゲコンテスト佳作の肩書きは伊達じゃないですね。まずイラストがすごく綺麗で目を引きます。そしてキャラが魅力的。個性豊かで関係性がとてもいい。

わたくしはキツい感じの子がデレてぐいぐい行くのがすごく好きでして、ウラさんが推しなのでございます。

主人公は物語を紡ぐ役ではなくて、登場人物から話を聞く役目。それだけで他とは違うプレイ感覚が味わえます。昨年あった「断罪室」もそうでしたが、主人公が自分になるこのスタイルだと没入感が違いますね。

 
足の下が透視できる少年加賀地くんと誘拐犯のおじさんの話
▶感想

めちゃくちゃ面白かった。足の下が透視できるという謎の設定も良し、2人のキャラクタや関係性も良し、物語の展開や空気感も良し。ケチを付けるところがない。

前作「不死身の英知」もそうだけど、本当にこの方は短編を書くのが上手すぎる。あと、おじさんの絵がオノ・ナツメっぽいのもなんか好き。

 
世界征服はティータイムのあとで
▶感想

イラストがめちゃくちゃ綺麗なのにプレイ時間が短いという贅沢さ。標示15分の作品でちゃんと15分使っているのが、個人的に好印象だったりします。

掌編だけど話の進め方がしっかりしてて、これだけで「インビジブル」が面白いことが分かる。長編を書いてる人の短編として、最高の役割を果たしていると思います。