バッジを見てもらえば分かるんですが、実はプレイしたのはかなり早い段階、フェスの開幕前なんですよね。前作「私の執事ジェラルド」が面白かったのでとても楽しみにしておりまして、すぐプレイした割に感想を書くのがギリギリになってしまったのはなぜだろうか。
まず設定がすごくいいですよね。相手が既婚者で恋に落ちてはいけない。ここからどうやって物語を展開するのか、と非常に興味をそそられました。
そして丹羽さんはちゃんといい男です。だからこそ、遊ぶ側としても丹羽さんに惹かれ、恋に落ちてはいけない、と進展をためらうさつきちゃんと同じ気持ちになって、一緒にドキドキできる。これ大事。
実を言うと、END1~3まで見た段階では、設定以上のワクワクはなかったんですよね。単純に分岐したエンディングだったので。が、その評価はEND4からEXTRAの流れで覆ります。このEXTRAが良くできていた。この設定からこの結末を出して、そこに納得のいく裏話が出てきたことに感服です。
「妻の夢を自分の夢と錯覚していた」から「私といても貴方の望みは叶わない」になる。丹羽さんには見えていなかったけれど、元妻の雛子さんは聡明な人だから気付いていた。こういう部分の認識と感覚のズレですよね。この小さな違和感をすり合わせられなかったから、大きな溝になってしまったのだと感じました。
本来なら離婚するほどのことではないのでしょうけど、目指すものが違う、生活リズムが合わない、子供もいない、となれば、婚姻関係を続ける理由が薄いですもんね。お互いに稼ぎもあって、生活に困らないわけですし。
1つ、本当にごく個人的な心情としては、妻がいながらさつきちゃんに気移りしている丹羽さんは見たくなかったです。あの瞬間だけ、自分の理想像から離れてしまったので。「式で誓ったから」と形式を引用して婚姻を続ける理由にするのも、丹羽さんの見えてなさを感じて辛かったです。理想像の押しつけだと分かってはいるんだけど、個人的な感情としてはどうしても。