*TGF2021*
 
恋に落ちてはいけない20分
▶感想

バッジを見てもらえば分かるんですが、実はプレイしたのはかなり早い段階、フェスの開幕前なんですよね。前作「私の執事ジェラルド」が面白かったのでとても楽しみにしておりまして、すぐプレイした割に感想を書くのがギリギリになってしまったのはなぜだろうか。

まず設定がすごくいいですよね。相手が既婚者で恋に落ちてはいけない。ここからどうやって物語を展開するのか、と非常に興味をそそられました。

そして丹羽さんはちゃんといい男です。だからこそ、遊ぶ側としても丹羽さんに惹かれ、恋に落ちてはいけない、と進展をためらうさつきちゃんと同じ気持ちになって、一緒にドキドキできる。これ大事。

実を言うと、END1~3まで見た段階では、設定以上のワクワクはなかったんですよね。単純に分岐したエンディングだったので。が、その評価はEND4からEXTRAの流れで覆ります。このEXTRAが良くできていた。この設定からこの結末を出して、そこに納得のいく裏話が出てきたことに感服です。

「妻の夢を自分の夢と錯覚していた」から「私といても貴方の望みは叶わない」になる。丹羽さんには見えていなかったけれど、元妻の雛子さんは聡明な人だから気付いていた。こういう部分の認識と感覚のズレですよね。この小さな違和感をすり合わせられなかったから、大きな溝になってしまったのだと感じました。

本来なら離婚するほどのことではないのでしょうけど、目指すものが違う、生活リズムが合わない、子供もいない、となれば、婚姻関係を続ける理由が薄いですもんね。お互いに稼ぎもあって、生活に困らないわけですし。

1つ、本当にごく個人的な心情としては、妻がいながらさつきちゃんに気移りしている丹羽さんは見たくなかったです。あの瞬間だけ、自分の理想像から離れてしまったので。「式で誓ったから」と形式を引用して婚姻を続ける理由にするのも、丹羽さんの見えてなさを感じて辛かったです。理想像の押しつけだと分かってはいるんだけど、個人的な感情としてはどうしても。

 
はこにわのみこ
▶感想

かわいいんです。とにかくかわいい。プレイ時間も長くないので、とりあえずプレイしてみることをお勧めします。すごく癒されますので。アニーちゃんがクロの足にぶら下がって浮いているところとか、すごく好きなんですよ。かわいい。

基本的にプレイヤーは見ていることしかできません。アニーちゃんは小さな女の子、何をやらかすか分からず、はらはらすることもあります。でもそこは優しい世界、大変なことにはならないので安心です。

物語として何か大きなことが起きたりするわけでもないのに、ちゃんと面白いんです。この雰囲気、自分では絶対に作れないので、本当にすごいと思います。

 
愛しのリョーくん
▶感想

前作「一恋」のインパクトがすごかったので、今作も面白いだろうなぁ、とプレイしました。今作もコンパクトな中にシチュエーションがぎゅっと詰まった作品で、わずかな時間で甘い癒しが摂取できますよ!

ええ、はい。

おまけがすごく凝っていて、そちらもお勧めです。

温度差で風邪引くけどね。

 
美少年の下僕(?)になりました
▶感想

前作「La Vie en Fleur」がとにかく好きで、今作も終盤まで楽しみに取っておりました。短編なので軽い気持ちでしたが、この作者様らしい味わいは健在でした。考えるとちゃんと理由が見えてくる作りなので、安心して読めます。

実は前作のプレイ後、更に前作の「時計屋のピアニスト」もプレイしました。こちらはちょっと設定に振り回されている感じがあったので、この後に「La Vie en Fleur」の完成度が出てくるのかと思うと、感じ入るものがありました。

あと、自作「玉虫色のIMPRESSION」とまさかの月宮被り・設定被りで笑いました。性別は逆ですが。

 
がんばれ!ヤマトくん
▶感想

数分なので、とりあえずプレイしましょう。ストップモーションに感動します。これはアイデア賞を贈りたい。一度見たら絶対に忘れないですもの。脱帽。

 

数分なので、とりあえずプレイしましょう。短時間で青春を感じられます。予備知識は入れないほうがいいと思います。プレイして要所で驚きましょう。

 
天使の飼い殺し
▶感想

数分なので、とりあえずプレイしましょう。技術力に感動します。もう何をどうすればこんなことができるのか、さっぱり分かりません。

過去作からずっと素晴らしい技術力を発揮しておりますが、今作ではそれに加えて物語にオチが効いているので満足感がありました。

 
逢魔時の家路(リメイク版)
▶感想

5分くらいのプレイ時間でここまでぐっと胸が苦しくなる作品は希少です。色鮮やかな黄昏色の画面にピンと来たら、プレイしてみることをお勧めします。

個人的にオレンジという色がすごく好きなのもあって、とても印象的な作品でした。

 
暗がりに咲く花
▶感想

恋愛を描くのではなく、恋によって動く感情を描くという、変わった切り口の物語でした。面白かったかと問われると、それは少し違うのですが、十分程度に短くまとめられているので、作品としてアリだと思います。

この作品は、とても綺麗な瞬間で終わります。そしてタイトルを見返して、深く腑に落ちます。本当に「暗がりに咲く花」を描いているんです。何と言うか、渋い。

 
DANCING×DANCING
▶感想

ハイセンスなアメコミ風のキャラによるダンス覚えゲーム。ティラノだけど、文章に頼らず物語を展開しているので、雰囲気がとても良い。軽くプレイするつもりがムキになって全キャラ集めてしまったぜ。

 
反動のクラウドレイジ FREE BATTLE
▶感想

twitterでちょくちょく任務報告書が上がっていて、じゃあやってみるか、と軽い気持ちでプレイ。まず作品世界の雰囲気が抜群に良くて驚きました。しばらくバトルをほっぽり出して、話を聞いて浸っていたくらい。

バトルのほうは現状、最大効率を出せる組み合わせを選ぶ内容だと思います。もっと戦闘中に考える要素も欲しいな、とRPG大好きマンは感じました。ちなみに自分は場を整えて大技で仕留めるのが大好きなので、ロマン砲ぶっぱです。

 
雨の袂
▶感想

昨年の「初恋の後悔」の作者ですね。とても丁寧に書かれていることが分かるので、読んでいてかなり印象が良いです。手触りが残るような表現の文章でした。

作品の魅力を上手く言葉で表すのが難しいのですが、読めば分かるタイプの作品だと思います。全体を通して、要素の纏まりが非常に良くて、美しさが感じられますし。あと、後輩の子が可愛くて好きです。

 
断罪室
▶感想

プレイ時間は短いし、物語性もないけれど、強烈なメッセージ性を持った作品でした。もし自分が何か特別賞を贈るなら、間違いなくこの作品です。

復讐を支持するか否か、自分の一票で二人の未来が決定される。普通、選択肢って選んだ結果が主人公に反映されるものですが、この作品はプレイヤーに返ってくるんですよね。主人公としての代理キャラがいないから。

もちろん、票を投じない選択もできるのですが……といったところですね。小さな仕掛けが非常に効果的に働いています。

感想にも書きましたが、こうした心理の錯覚に陥るような仕掛けって大好きなんですよね。

ちなみに、ここでの「票を投じない」という選択は、思考と役割の放棄ですよね。救いを求めて訴え出た被害者に対して「判断すらしない」というのは正直、酷い選択だと私は思う。もちろん冤罪の場合もあるから悩ましくはありますが。心のタフネスが試されますね。

答えの出ない2択を迫られる点で「Another Moon Whistle」を思い出しました。考えさせられるゲームというのは、やっぱり独特の面白さがありますね。

 
ゾンビキャンパスからの脱出
▶感想

正攻法の良質な謎解き脱出ゲームでした。オーソドックスなタイプの謎解きゲームですが、最後までプレイすると、いい感じに「やられた感」が味わえます。自分は本当に見事に掌の上で踊らされていて、気付いた時には笑ってしまったくらいです。

 
さよならをセカイに

切なかった。子供の頃の小さな過ちが、後々までずっと尾を引く。そのモヤモヤを抱えたままの読み味が、堪らない印象を与えてくれます。

大人の視点で見れば、あの選択は間違いだった、ああすべきではなかった、とすぐに分かるのですが、それが分かる頃には既に遅く。小さな間違いを続けながら進んでいく後悔の物語が、チクチクと胸に刺さります。

 
混同仮面
▶感想

スポンサー賞が複数出ていたのが気になってプレイ。下ネタでバカゲーとのことで敬遠していたのですが、めちゃくちゃ力の入ったバカゲーで驚きました。これは一見の価値があります。

プレイ時間も短いので、気になった方はぜひともプレイしましょう。

 
椿堂ノ火

スポンサー賞がたくさん出ていて、感動したとの文言があり、プレイ時間も30分とのことなので、フェス終了後にプレイしました。

いやね、本当に涙が出るんですよ。すごいと言うか、ずるいと言うか、ツボを的確に押してくる作品でした。ジャンルに家族ドラマとある通りの家族愛の物語です。

決別したけれど親は愛してくれていた。その愛を知る瞬間というのは本当に胸に来ますね。主人公が何者か分からない状態で始まるので序盤は何だか乗り切れない印象もありましたが、そうして散りばめられた謎だった要素がラストで一気に収束する構成は見事でした。

現実的な話をするなら、主人公にはやはり恋人を連れてくる前に自分を明かすフェーズが必要だったと思います。それを一段飛ばしに明かしたものだから、そりゃ相手だってびっくりします。田舎って長男教も根強いですし。だからこそ、それを受け入れられた親の温かさが響くわけですけれども。